人間の動作や姿勢の保持には、色々な反射機構が働いています。そして、それらの多くは意識にのぼらないところで自動制御装置のように調整処理されています。
腰痛や肩凝り、膝痛のような障害は、知らず知らずのうちに崩れてしまった動作や姿勢保持の誤った反射機構によるものがほとんどです。
運動不足や不適切な運動は、反射機構の誤動作を発生させます。ですから、身体のためにと思って始めた運動で、膝の痛みや腰痛が悪化しているケースはたいへん多く報告されています。崩れた姿勢や動作で運動をしても負担が軽減するどころか、かえって 悪化させることになります。
例えば、腕の前面の筋肉(上腕二頭筋)を強く働かせようとしたとき、腕の後面の筋肉(上腕三頭筋)の力は抜けていなければなりません。もし、腕の後面の筋肉に力が入ってしまうと前面の筋肉の働きを邪魔することになってしまいます。このように身体を動かす時には、力を入れなければならない部分と力が抜けていなければならない部分が必ずあります。
身体の全てに力が入ってしまうと、動くことはできなくなってしまうので、力を入れるべきところと力を抜くところが上手くコントロールされなければならないのです。
スポーツをした経験のある人なら、「力むな」「リラックスしろ」「肩の力を抜け」という声を一度は聞いたことがあると思いますが、正しくしっかりと身体を動かすためには余計なところに力を入れてはいけないということを言っているのです。
関節の障害のほとんどが、正しい動きになっていないことが原因で起こっています。真っ直ぐ立って力の抜けているところと、力の入っているところをチェックしてください。
ふくらはぎや脚の前の筋肉(大腿四頭筋)、腰や肩、首に力が入り過ぎていませんか?下腹部に力が入っていますか? 正しく立ててないということは、正しく動けてないと思われるので、膝や腰、肩などの関節に負担がかかっている可能性が高いです。
正しく動けるように努めて、傷害の予防、改善に繋げてくださいね。
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